勤怠システム導入を成功させる方法|中小企業向け比較・スケジュール・失敗回避ガイド

こんな悩みを抱えている企業の担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
- 勤怠が遅れて給与計算時期は残業続き
- Excelで勤怠管理をやっているがいつも数式が壊れている
- 10人以上の残業代を手計算している
このような悩みは、勤怠システムを導入することで解決するかもしれません。
私は社労士として、企業の勤怠システムを初めとする人事労務クラウドの導入を支援してきました。
本記事では、目的整理、比較軸、スケジュール、失敗回避、定着まで具体的にお伝えします。
勤怠システム導入の目的と解決できる課題【導入前に整理すべきポイント】
勤怠システムの導入は、企業によって様々ですが、次のような目的が挙げられます。
- 紙・Excelでの集計負荷とミスを減らす
- 法改正や36協定の運用漏れを防ぐ
- 締め日遅延・承認滞留をなくす
- 給与計算への連携を安定させる
- 打刻不正・打刻漏れを抑制する
これらは単なる効率化ではありません。
毎月の手作業による締めの手間を終わらせ、未払い・過払いのリスク、是正勧告の火種をつぶすことです。
私は運送会社の管理部門で、Excelでの勤怠管理+複雑なシフトの現場をクラウドへ移行しましたが、勤怠の締め作業の手間は格段に削減されました。
また勤怠システムの導入は、次のような課題の解決にも繋がりました。

勤怠システムは、給与計算システムとの連動など、一連の給与計算業務を効率化するための重要なピースと言えます。
しかし、勤怠システムは、導入しただけでは企業の課題を解決することはできません。
むしろ導入前より手間が増えたなんて事にもなりかねません。
次章では、勤怠システムの導入にあたってつまずくポイントについて解説します。
勤怠システム導入で中小企業がつまずくポイントと失敗の原因
中小企業のクラウド導入がうまくいかない原因は、ツールではなく、「運用の整理不足」です。
実際の現場では、次のようなポイントで止まるケースが非常に多いです。
✔よくあるつまずき
- ルールと実務がズレている:就業規則や36協定はあるが、実際の勤怠運用と一致していない
- 勤務パターンが複雑すぎる:シフト制・変形労働・固定残業などが絡み、設定が難しい
- 担当者が1人で抱えている:本業をやりながら導入も対応するため、手が回らない
- 結局アナログ作業が残る:給与ソフトと連携できず、CSV加工や手修正が常態化
- 運用ルールが共有されていない:マニュアルがなく、現場に教育できない
クラウド導入が止まる最大の理由は、「どう運用するか」が決まっていないからです。
クラウドは「設定すれば動くもの」ではなく、会社のルールをそのまま反映させる仕組みなのです。
実務で一番つまずくのが「要件定義」です。
「要件定義」とは、難しく聞こえますが、やっていることはシンプルで、「現場の回し方を言葉にする作業」を言います。
ここが曖昧だと、導入がうまくいかないケースが多いです。
現場では、まずこの3つから整理します。
- 締め日の動き(いつ・誰が・何をするか)
- 休憩・残業のルール(どこからが残業か)
- 管理者の承認範囲(誰が最終判断するか)
この3つが固まると、勤怠設定が迷わずでき、給与計算と連動することができます。
またここまで来ると、運用ルールをマニュアル化できるため、「仕組みとして回る状態」になります。
逆にこれらの設定が曖昧なままだと、次のようなことになってしまいます。
- 設定ミスが増える
- 手修正が増える
- 担当者しか分からない状態になる
クラウド導入で失敗する会社の共通点はシンプルです。
クラウドの導入が目的になっているという点です。
本来は逆で、運用を整理して、それをクラウドに落とし込むのが正解です。
この順番ができるかどうかで、クラウド導入の成否は決まるのです。
これをやらないと、最終的にクラウド導入前より手間が増えて、現場が疲弊し不満が出るなんてことになりかねません。
導入に不安があるという方は、クラウドに明るい専門家に相談することをおすすめします。
当事務所でもクラウド導入支援を行ってますので、まずはお気軽に無料相談ください。
勤怠システムの導入の前に、メリットとデメリットを知っておくといいでしょう。
勤怠システム導入のメリット・デメリットを徹底解説
まずは勤怠システムを導入するデメリットから見ていきます。
勤怠システム導入のデメリット【失敗を防ぐために知っておくべき注意点】
まず念頭に置いていただきたいのが、勤怠システムは「導入すれば楽になる魔法のツール」ではありません。
むしろ最初は負担が増えるケースが多いです。
✔よくあるデメリット
- 導入初期の負担が大きい
- 現場の反発が起きやすい
- 設定ミスによるトラブル
- 結局アナログが残るケース
- 定着しないリスク
導入当初は、初期設定やテスト運用など、日々の業務で忙しい中、平行して行わないといけません。
それに加え、担当者は「うまく動かなかったらどうしよう」という失敗できないプレッシャーもかかります。
また人間は変化を嫌う生き物です。
打刻方法や申請フローが変わると、従業員から「前より面倒になった」など、しばしば不満が出ることもあります。
ただ、上記のデメリットはすべて、「導入のやり方」で解消できる問題です。
要件定義をしっかりして、初期設定や運用ルールを整備すれば、勤怠システムが機能しないと言うことはあり得ません。
また従業員からの不満も勤怠システムの運用が回り始めれば、次第になくなっていきます。
そしてこれを乗り越え、正しく導入できた場合のメリットはかなり大きいです。
勤怠システム導入のメリット【業務効率化・法対応・コスト削減】
勤怠システムを導入するメリットは、短期と中長期に分けることができます。
それぞれ見てみましょう。
✔短期メリット(すぐに実感できる効果)
- 集計時間の大幅削減
- 締め処理が「定時内で終わる」ようになる
- 給与計算ミスの減少
一番わかりやすいのが作業時間の削減です。
手作業やExcelで行っていた残業時間の集計作業などが自動化されるので、勤怠の締めの作業時間を大幅カットすることが可能です。
また勤怠システムと給与計算システムを連携することができれば、給与計算ミスの削減にもつながり、従業員からの信頼も高まります。
勤怠システムは、導入して時間が経つと次のようなメリットも見えてきます。
✔中長期メリット(経営に効いてくる効果)
- 残業の見える化
- 休暇取得の適正化
- 法令違反リスクの低減
- 人件費の予実管理ができる
従業員の残業や休暇を管理するのも人事労務の仕事の一つです。
勤怠システムを導入することで、毎月の残業時間や有休の取得状況をシステム上で把握できるので、法令違反のリスクを低減することもできます。
勤怠システムによっては、労務管理に関するデータをグラフや表で確認することもできるので、社内への通知や会議での説明にも役立ちます。
以上勤怠システムのメリットとデメリットを解説しました。
両方を踏まえて導入の検討をしてみてください。
ただ、勤怠システムを導入するには、手間がそれなりにかかります。
設定を自社で行う企業もいますが、人事労務の担当者の方が、通常業務の合間に設定等を行うのは、挫折のもとです。
先ほどデメリットにも挙げたように、結局アナログ作業が残って、導入前と同じように締め作業に追われているなんてことにもなりかねません。
そうならないためにも、勤怠システムを導入する際は、専門家の導入支援も検討してみるのも一つの方法です。
自社の運用に合った設計や初期設定を行うことで、導入後の「思ったより楽にならない」という失敗を防ぐことができます。
もし「自社の場合はどこから手をつけるべきか分からない」「今の運用で問題がないか不安」と感じている場合は、当事務所の無料相談をご活用ください。
現状の業務フローを整理したうえで、最適な進め方をご提案いたします。
勤怠システム導入の方法比較|自社導入・SaaS企業・社労士支援の違い
勤怠システム導入時の設定を行うのには、次の3つパターンが挙げられます。
✔導入方法
- 自社で担当者が導入する
- SaaS企業から直接導入サポートを受ける
- 社労士などの専門家から導入サポートを受ける
それぞれにメリットデメリットは、下記を参考にしてください。

費用をどうしても抑えたいという方は自社で導入するのがいいでしょう。
そのためには、導入の責任者を決めてプロジェクトとして行うことをおすすめします。
そうしないと、いつまで経っても設定が終わらず、毎月のクラウド費用だけ払い続けることになります。
またSaaS企業によっては、無料での導入サポートもあるので、そちらをご利用いただくのもいいかもしれません。
ただ、SaaS企業の担当者は、サービス内容などやその製品の基本設定には詳しいですが、法律の専門家ではありません。
残業時間の計算や自社の就業規則、36協定で締結した延長時間と照らし合わせて齟齬がないかなどは見てくれません。
その辺も自社では対応できないという企業は、社労士などの専門家の導入支援を受けるのがいいでしょう。
また勤怠システムと給与計算システムを別々の会社のものを使っていることはよくあります。
そこの連携についても、SaaS企業側では対応できないので、クラウドに詳しい社労士に依頼することをおすすめします。
当事務所では、残業時間計算の設定やみなし残業の設定、他社サービスとの連携など、顧問先様に合わせて柔軟に対応が可能です。
まずはお気軽にご相談ください。
勤怠システム導入スケジュールと進め方【最短で定着させるコツ】
勤怠システムは、導入から本格稼働までおおよそ3ヶ月掛かることが一般的です。
以下は標準的な導入スケジュールになります。

クラウド導入は、段階的に進めることでスムーズに定着します。
まず0〜2週では、現状把握と要件定義を行います。
就業規則や36協定の内容を確認し、シフトや休憩・残業のルールを整理することで、自社に合った運用の土台を固めます。
次に3〜5週では、初期設定とマスタ整備を進めます。
部署や従業員情報、休日設定、打刻方法などをシステム上に反映し、実運用に近い形を作ります。
6〜8週はテスト運用の期間です。
既存の運用と並行してシステムを動かし、差異の検証や細かな修正を行うことで、本番運用に向けた精度を高めます。
9〜10週で本稼働に移行し、締め処理から給与計算への連携までを実際の業務として運用します。
最後に11〜12週では定着フォローを行います。
FAQの整備や現場への教育、運用ルールの明文化を通じて、安定した運用を実現していきます。
以上、勤怠システムの導入スケジュールについて解説しました。
実際に私の方で支援した会社の導入事例を紹介したいと思います。
勤怠システム導入事例|100名運送業で業務効率化と自動化を実現
以前支援をした運送会社様の導入事例となります。
導入事例|運送業(従業員100名)
本事例では、従業員約100名規模の運送会社様における、勤怠・給与業務のクラウド化をご支援しました。
導入前は、独自の勤怠システムとExcelの勤務表を併用しており、集計や確認作業に多くの時間がかかっていました。
また、給与計算もCSVで取り込んだ後に手作業での修正が必要で、ミスや属人化のリスクが高い状態でした。
さらに、ドライバーのシフトはExcelで個別管理されており、全体の把握や調整にも手間がかかっていました。
そこで勤怠システムを新たに導入し、勤怠・シフト管理を一元化したことで、日々の入力・集計業務が大幅に効率化されました。
加えて、給与計算システムとのAPI連携を構築することで、これまで手作業で行っていた計算処理の自動化に成功し、人的ミスの削減と業務スピードの向上を実現しました。
また、運送業でよく導入されている「1年単位の変形労働時間制」にも対応し、複雑な残業計算を正確に処理できる体制を構築しました。
さらに、36協定に基づく残業時間の上限についてもアラートが表示されるようになり、気づかないうちに上限を超えてしまうリスクを防止することができました。
コンプライアンス面でも安心して運用できる環境を整えることができました。
結果として、勤怠・給与業務の効率化だけでなく、法令対応・リスク管理の面でも大きな改善につながりました。
以上導入事例の紹介でした。
次章では導入前に注意したいポイントを解説します。
勤怠システム導入で失敗しないためのチェックポイント(要件定義・法対応・連携)
勤怠システムの導入でつまずく原因の多くは、「最初の設計ミス」です。
ここを曖昧にしたまま進めると、あとから毎月の修正作業に追われることになります。
まずは、必ず押さえておきたいポイントを整理します。

まず、休憩時間や端数処理、残業の事前申請ルールといった勤怠ルールを明確に整理する必要があります。
これらが曖昧なままだと、システム設定と実際の運用にズレが生じやすくなります。
次に、自社に適用されている労働時間制を正しく把握することも欠かせません。
特に次の制度を導入している企業は注意が必要です。
- 変形労働時間制
- みなし労働時間制
- フレックスタイム制
これらは通常と比べ、勤怠の集計方法や残業計算の方法が特殊なので入念に確認が必要です。
また、36協定や就業規則といった協定・規程の内容と、日々の実際の運用が一致しているかを確認することも重要です。
ここにズレがあると、法令違反のリスクにつながる可能性があります。
さらに、打刻方法の設計も重要なポイントです。
ICカードやスマートフォンアプリ、PCなど、現場に適した方法を選びつつ、本人性が担保できる仕組みになっているかを検討します。
あわせて、承認フローの明確化も必要です。
誰が一次承認を行い、最終的に誰が締め処理の責任を持つのかを決めておくことで、運用の混乱を防ぐことができます。
最後に、給与システムとの連携設計も欠かせません。
コードの統一やマスタの整備を行い、CSV連携かAPI連携かといったデータの受け渡し方法を事前に設計しておくことで、後工程の効率と正確性が大きく向上します。
以上のことを曖昧にしたまま導入してしまうと、次のようなことにもなりかねません。
- 毎月の勤怠修正が発生
- 給与計算前に差し戻しが多発
- CSVの手修正が常態化
- 担当者しか分からない属人運用になる
導入して楽になるはずのシステムが、逆に負担になるケースも少なくありません。
勤怠システムの設定は、次のことを意識すると本格稼働後、本当に楽になる状態を実現することができます。
- CSVを手で加工しない運用にする
- 勤怠と給与でコード体系を統一する
- 集計軸(残業・手当・控除)を揃える
勤怠システムの初期設定は大変ですが、ここの数か月の苦労がその後の数年の業務を楽にしてくれます。
ここまでの解説を聞いて自社だけでの導入は難しいかもと感じた方は、当事務所のクラウドソフト導入支援サービスをご検討ください。
最後に当事務所の支援サービスの紹介をします。
勤怠システム導入支援サービスの内容・費用・導入の流れ
業務の属人化や非効率に悩んでいる企業であれば、クラウドソフト導入支援を活用し「仕組みで回る状態」を作ることが最も効果的です。
ルーツのクラウドソフト導入支援サービス概要
当事務所が提供する「クラウドソフト導入支援」は、人事労務の専門家である社労士と代理店という2つの立場で、企業様に合ったクラウドの選定・設定・運用定着を、支援するサービスです。

主にサポートできるクラウドサービスは次のとおりです。
✔主な取扱いクラウド
- KING OF TIME
- マネーフォワード
- freee
- オフィスステーションなど
上記以外の対応可能なクラウドサービスが多数ございますので、お気軽にご相談ください。
導入支援サービスに向いている会社と向いていない会社
特に次のような企業様はお問合せをお待ちしております。
✔向いている会社
- 社長が人事労務を兼務していて本業に集中できない
- 担当1名で回していて休みが取れない
- 3ヶ月以内に本稼働したい
- 給与連携まで一気通貫で整えたい
- 他社同士の勤怠システムと給与システムを導入したい
次の企業様には導入サポートはおすすめできません。
✔向いていない会社
- 導入専任者が複数いて、内製で十分に回せる
- スケジュールに余裕があり、時間をかけて自社検証したい
この場合は、SaaS企業のサポートを受けながら内製で進める方が、メリットは大きいでしょう。
次のようなご相談もお気軽にお問合せ下さい!
よくある相談
- 勤怠と給与がうまく連動しない
- マニュアルを読んでも設定が合っているか不安
- 就業規則どおりに設定できているか確認したい
- 導入したのに業務効率が落ちた
当事務所では、代表社労士が全工程を責任もって担当させていただきます。
まずは「従業員数」「現在の給与計算方法」「勤怠管理方法(紙/Excel/別システム)」「困りごと(例:締め遅延、差異多発)」をお知らせください。
初回の無料相談で、みなさまのお悩みを丁寧にヒアリングさせていただきます。
クラウド導入は設計を誤ると、かえって手作業が増えたり、運用が定着しないケースも少なくありません。
すどうルーツ社会保険労務士事務所では、クラウド導入支援を月額11,000円(税込)から対応しています。
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