有給の年間付与日数一覧|正社員・パート別の早見表と計算ルール

こんなお悩みありませんか?
- 有給を年間何日付与すればいいのか分からない
- パート・アルバイトの比例付与で迷う
- 年5日取得義務や繰越管理まで対応できていない
有給の年間付与日数は、一覧表だけでは正しく運用できません。
実務では、継続勤務、出勤率、週所定労働日数などを確認しながら、「誰に」「いつ」「何日付与するか」を判断する必要があります。
この記事では、正社員・パート別の法定付与日数、比例付与の判定基準、繰越、年5日取得義務まで、実務で迷いやすいポイントを整理して解説します。
有給の付与日数一覧|正社員・パート別の早見表と判定方法
有給の年間付与日数は、雇用形態だけで判断すると誤りやすくなります。
まずは、正社員・パートそれぞれの法定付与日数と、実務での判定基準を整理します。
正社員の有給付与日数一覧|勤続年数ごとの法定日数
正社員など週30時間以上または週5日以上勤務する人の有給の年間付与日数は、勤続年数に応じて法定で決まっています。
入社から6か月で10日付与され、その後は1年ごとに増え、6年6か月以降は毎年20日です。
年次有給休暇は、労働基準法で一律の付与基準が定められています。
迷いやすいのは、「年間で何日か」より「いつの時点で何日付与されるか」です。
法定の付与タイミングは、6か月継続勤務後、その後は1年ごとです。
日数は次のとおりです。
✔通常付与日数一覧表
| 勤続期間 | 6カ月 | 1年6カ月 | 2年6カ月 | 3年6カ月 | 4年6カ月 | 5年6カ月 | 6年6カ月 |
| 付与日数 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
有給付与日数は、雇用区分ではなく、まず週所定労働日数・週所定労働時間で通常付与の対象かを判定します。
そのうえで勤続年数を当てはめる流れです。
就業規則、雇用契約書、勤怠設定の基準がずれている会社は少なくありません。
最初にこの一覧を社内ルールとして固定しておくことが重要です。
パート・アルバイトの有給付与日数一覧|比例付与の早見表
パート・アルバイトでも有給は発生します。
週所定労働日数が4日以下、かつ週30時間未満なら比例付与です。
判定は、雇用形態ではなく、所定労働日数と時間で行います。
短時間労働者には、通常の付与日数ではなく、勤務日数に応じた比例付与表を使います。
日数は次のとおりです。
✔比例付与日数一覧表
| 所定労働日数 | 1年間の所定労働日数 | 勤 6カ月 | 1年6カ月 | 属2年6カ月 | 3年6カ月 | 年4年6カ月 | 5年6カ月 | 数6年6カ月 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 4日 | 169~216日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 12日 | 13日 | 15日 |
| 3日 | 121~168日 | 5日 | 6日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 |
| 2日 | 73~120日 | 3日 | 4日 | 4日 | 5日 | 6日 | 6日 | 7日 |
| 1日 | 48~72日 | 1日 | 2日 | 2日 | 2日 | 3日 | 3日 | 3日 |
シフト制だから比例付与と決めつけるのは危険です。
確認の順番は次のとおりです。
- 週所定労働時間が30時間以上か
- 週所定労働日数が5日以上か
- どちらにも当てはまらなければ比例付与か
- 契約変更で日数や時間が変わっていないか
比例付与は、まず所定労働日数で判断するのが基本です。
雇用契約書の更新時に週何日契約かを明記し、Excelや勤怠システムの付与区分と一致させておくと、問い合わせ対応や付与ミスの防止につながります。
有給付与日数の条件と判定方法|6か月継続勤務・8割出勤を解説
有給の年間付与日数を正しく判定するには、次の3点を順に確認します。
- 6か月継続勤務
- 8割出勤
- 週所定労働日数または週所定労働時間
この順番を崩すと、付与漏れや誤付与が起きやすくなります。
日数表だけを見ても、前提条件を満たしていなければ有給は発生しません。
6か月継続勤務は、入社後に在籍が続いているかの確認で、8割出勤は全労働日のうち8割以上出勤しているかを見ます。
なお、業務上災害による休業、産前産後休業、育児介護休業、年次有給休暇を取得した日などは、出勤したものとして扱う場合があります。
有給管理では、次の3項目を固定で持たせておくと判断しやすくなります。
- 入社日
- 基準日時点の出勤率
- 週所定労働日数または時間
休職者や長期欠勤者は、8割出勤の判定で迷いやすいケースです。
勤怠データから自動集計できる形にしておくと、付与漏れや確認ミスを防ぎやすくなります。
従業員数が増えると、有給管理をExcelだけで運用するのは限界が出やすくなります。
有給付与日、残日数、年5日取得義務まで含めて一元管理したい場合は、給与計算ソフトや勤怠システムとの連携も重要です。
給与計算ソフトの選び方や導入時の注意点は、「給与計算ソフト導入の総まとめ|社労士が選び方と進め方を解説」でも詳しく解説しています。

日数表を覚えるより、判定の順番を社内で統一することが重要です。
次は、有給の付与日数をどのように管理していくかを整理します。
基準日統一、繰越、残日数管理など、実務で運用が崩れやすいポイントを確認していきます。
有給付与日数の管理方法|基準日・繰越・管理台帳を解説
有給管理は、付与日数を把握するだけでは足りません。
実務では、基準日、繰越、消滅時効、年5日取得義務まで含めて管理できる状態が重要です。
有給付与日の管理方法|入社日基準と基準日統一の違い
有給管理は、入社日基準のまま個別管理するか、基準日統一に切り替えるかを明確に決める必要があります。
属人化を防ぎたい中小企業では、前倒し付与を活用した基準日統一が有効なこともあります。
入社日基準は法定どおりで分かりやすい一方、従業員ごとに付与日がバラバラになります。
そのため、中途採用が多い会社では、有給付与日や年5日取得義務の管理時期も従業員ごとにズレやすくなります。
Excel管理だけでは更新漏れや残日数ミスが起きやすく、従業員数が増えるほど管理負荷も大きくなります。
一定人数を超えた段階で、勤怠システム側で有給付与・取得状況を一元管理できる体制を整えることが重要です。
勤怠システムの比較や導入時の進め方は、「勤怠システム導入を成功させる方法|中小企業向け比較・スケジュール・失敗回避ガイド」でも詳しく解説しています。

基準日統一は、毎年4月1日や10月1日にそろえる方法で、年5日取得義務の管理やシステム設定がしやすくなります。
ただし、法定より不利にはできません。
統一時は、前倒し付与や按分の考え方を整理する必要があり、従業員数が増えるほど、基準日統一は検討しやすくなります。
特に雇用区分が多い会社では、個別管理に限界が出やすいです。
注意点は次の2つです。
- 就業規則に基準日と付与方法を明記する
- 勤怠システムの設定と一致させる
変更時は、誰にいつ何日付与するかを一覧化してから移行すると安全です。
有給の繰越と消滅時効|残日数管理のルールと注意点
有給は付与日から2年で時効消滅し、未使用分は翌年に繰り越せます。
そのため、年間付与日数だけでなく、前年繰越・当年付与・取得・残数を分けて管理することが重要です。
残日数の説明トラブルは、どの年度の有給が何日残っているかを区別していないことから起きやすくなります。
たとえば、前年分が10日残り、今年12日付与された場合、保有日数は22日です。
この場合は、古い日数から先に消化する形で管理します。
退職時も、残日数をすぐ説明できないとトラブルにつながりやすくなります。
有給管理は、次の流れで整理すると分かりやすいです。
- 前年繰越日数を確定する
- 当年付与日数を加える
- 取得日ごとに控除する
- 時効消滅日を記録する
Excelでも管理できますが、「何をどの列で管理するか」を統一しておかないと、担当者ごとに管理方法が変わり、運用が崩れやすくなります。
基準日統一後は、全員同じ締めで消滅管理できるため確認負担を減らせます。
また残日数は、給与明細で本人にも見えるようにすると、問い合わせや認識違いの防止につながります。
Web明細やクラウド給与システムを活用すると、有給残日数の確認もしやすくなります。
給与明細の電子化を検討している場合は、「給与明細の電子化の進め方|同意取得・法対応・クラウド選びまで完全解説」も参考にしてください。

有給管理台帳の作り方|必要項目・保存内容・チェックポイント
有給管理台帳は、単に付与日数を記録する表ではありません。
法定付与、取得義務、時効管理まで説明できる証跡です。
最低限の項目がそろえば、Excel運用でも安定した管理は可能です。
労基署対応や従業員説明では、付与日数だけでなく、「なぜその日数なのか」「いつ取得したのか」まで示せる状態にしておく必要があります。
台帳に必要な主な項目は次のとおりです。
✔有休管理台帳の必要項目一覧
| 入社日基準日勤続年数週所定労働日数または時間出勤率前年繰越当年付与取得日取得日数残日数消滅日年5日取得義務の達成状況 |
確認しておきたいポイントは次の3つです。
- 就業規則と付与ルールが一致しているか
- 勤怠データと取得記録が連動しているか
- 年5日取得義務の対象者をすぐ確認できるか
担当者の頭の中だけで回る運用は、引継ぎ時に崩れやすくなります。
まずは現行のExcelに必要項目を追加し、その後に勤怠システムへ移行していく流れが無理のない進め方です。
ただ、有給管理では、退職者や休職者、シフト勤務者など、通常運用だけでは判断しにくいケースも少なくありません。
次は、実務で特に迷いやすいケースと対応方法を整理します。
有給付与日数でよくあるケース|年5日義務・退職者・シフト勤務の対応方法
有給管理では、退職者、休職者、シフト勤務者など、イレギュラーケースで判断に迷いやすくなります。
ここでは、中小企業で特に相談が多いケースを実務目線で整理します。
有給の年5日取得義務とは|対象者・管理方法・実務フロー
年5日取得義務の対象は、年10日以上の有給が付与される従業員です。
管理では、対象者を先に固定し、基準日から1年以内に5日取得したかを月次で確認していくことが重要です。
年末にまとめて確認すると、未取得者への対応が間に合わないケースもあるため、早めに取得状況を確認していくことが重要です。
対象者は正社員に限らず、パートでも付与日数が10日以上なら対象です。
また、会社が時季指定して取得させる場合でも、本人がすでに取得した日数は差し引いて考えます。
年5日取得義務は、次の流れで管理すると整理しやすくなります。
- 付与日時点で対象者を抽出する
- 基準日から半年時点で取得状況を確認する
- 未達者に取得予定を案内する
- 1年満了前に会社指定日を設定する
年5日取得義務は、有給管理台帳と別管理にしない方が運用しやすくなります。
同じ台帳で対象者、取得済日数、残必要日数まで見える形にしておくと、管理漏れを防ぎやすくなります。
繁忙期に取得が偏る現場では、早めに取得予定を確認しておくことが重要です。
退職者・休職者の有給付与|基準日・出勤率の判断ポイント
退職予定者でも、付与基準日まで在籍し要件を満たせば有給は付与されます。
休職者についても、一律に有給が付与されないわけではなく、8割出勤の判定や休職内容ごとの確認が必要です。
「もう辞めるから付けない」「休んでいたからゼロ」といった運用は、法令違反につながりやすいため注意が必要です。
退職日が基準日より後なら、その時点で有給の権利は発生します。
反対に、基準日前に退職していれば次回分は発生しません。
休職者は、私傷病休職などで出勤率が8割未満になると付与されない可能性があります。
ただし、出勤率計算に含めるべき日もあるため、単純に欠勤扱いで判断しないことが重要です。
退職者や休職者は、感覚ではなく、基準日一覧をもとに確認していくことが重要です。
退職申し出後は、有給残数の説明トラブルも起きやすいため、次の3点をセットで整理しておくと対応しやすくなります。
- 付与日
- 残日数
- 最終出勤日
また、休職者は休業の種類ごとに出勤率への影響が異なるため、勤怠区分の設定も重要です。
有給付与の判断は、就業規則、管理台帳、勤怠記録を突き合わせながら確認する必要があり、ケースによっては判断が複雑になります。
対応に迷う場合は、社労士へ相談しながら整理することも有効です。
社労士へ依頼できる内容や顧問料の相場感は、「社労士に相談できることを完全解説|どこまで頼める?費用・顧問の必要性まで解説」でも詳しく解説しています。

シフト勤務・短時間勤務者の有給付与|比例付与の注意点
短時間勤務者やシフト勤務者の有給の年間付与日数は、実際の勤務実績ではなく、原則として週所定労働日数または週所定労働時間で判定します。
実績ベースだけで処理すると、付与区分を誤りやすくなります。
シフト制の現場では、月ごとに勤務日数が変動します。
そのため、実績だけで判断すると、比例付与か通常付与かの基準がぶれやすくなります。
基本は、雇用契約上の所定労働日数で判断します。
所定が定まっていない場合は、実態をもとに年換算して判断します。
また、短時間正社員や時短勤務者でも、週30時間以上であれば通常付与になる点は見落としやすいポイントです。
有給管理では、次の3点を連動させておくことが重要です。
- 採用時の契約区分
- 契約更新時の変更内容
- 勤怠システムの付与区分
シフト勤務だから特別な計算をするのではなく、まず契約条件を整理することが重要です。
Excel管理で判定がぶれている場合は、就業規則と雇用契約書を見直し、付与ルールを先に統一しておくことが改善につながります。
まとめ
有給の年間付与日数は、単に一覧表を見るだけではなく、継続勤務、出勤率、週所定労働日数まで含めて判断する必要があります。
特に中小企業では、Excel管理や担当者判断だけで運用すると、付与漏れや年5日取得義務の管理ミスにつながりやすくなります。
実務では、次の3点を押さえておくことが重要です。
- 正社員とパートでは通常付与・比例付与の判定が異なる
- 年5日取得義務や繰越管理まで含めて管理する必要がある
- 退職者・休職者・シフト勤務者は基準日と出勤率の確認が重要
有給管理は、就業規則、勤怠管理、給与計算とも関わるため、運用が複雑になりやすい分野です。
付与ルールや管理方法に不安がある場合は、早めに社内ルールを整理し、必要に応じて社労士へ相談することをおすすめします。
よくある質問
- 有給の年間付与日数は、正社員だと何日ですか?
-
正社員など週30時間以上または週5日以上勤務する方は、入社6か月後に10日付与され、その後は1年ごとに11日、12日、14日、16日、18日と増え、6年6か月以降は毎年20日です。実務では雇用形態ではなく、まず週所定労働日数・時間で判定します。
- パート・アルバイトでも有給は付きますか?
-
はい、付きます。週4日以下かつ週30時間未満であれば比例付与となり、勤務日数に応じて付与日数が決まります。たとえば週3日勤務なら6か月後に5日、週2日勤務なら3日です。シフト制でも、実績ではなく原則として契約上の所定労働日数・時間で判断します。
- 有給の付与日数は何を基準に判定しますか?
-
基本は「6か月継続勤務」「8割出勤」「週所定労働日数または週所定労働時間」の3つです。この順番で確認すると、付与漏れや誤付与を防ぎやすくなります。実務では、入社日・出勤率・週所定労働日数(時間)を台帳で一元管理する方法がおすすめです。
- 有給は繰り越せますか?消滅時効はありますか?
-
有給は未使用分を翌年に繰り越せますが、付与日から2年で時効消滅します。そのため、前年繰越・当年付与・取得・残日数を分けて管理することが重要です。古い有給から先に消化する形で管理すると、退職時の説明もしやすくなります。
- 退職予定者や休職者にも有給は付与されますか?
-
退職予定者でも、付与基準日まで在籍し要件を満たしていれば有給は付与されます。休職者も一律で不付与にはならず、8割出勤の判定や休職の内容ごとに確認が必要です。
- 有給付与日は会社で統一できますか?
-
可能です。前倒し付与を活用し、4月1日などへ基準日統一する会社もあります。ただし、法定より不利にはできないため、就業規則や付与日数の整理が必要です。

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