運送業に強い社労士の選び方|一般の社労士との違いと依頼するメリット

こんなお悩みありませんか?
- 運送業に強い社労士を探しているが、何を基準に選べばいいかわからない
- 法律には詳しそうだが、実際に自社の現場に合うかどうか不安
- 後継者問題や人手不足も抱えていて、労務管理だけでなく組織づくりまで相談したい
運送業は改善基準告示や36協定など特有のルールが多く、一般的な社労士では対応しきれない場面が少なくありません。
かといって「運送業に強い」と謳う社労士であれば誰でもいいわけでもなく、選び方を誤ると、費用だけかかって現場の実態に合わないアドバイスを受け続けることになりかねません。
この記事を書いている筆者は、社会保険労務士として労務管理の専門知識を持つ一方、運送会社で8年間以上勤務し、現場の内側から労務管理を担当してきました。
法律を「知っている」だけの立場ではなく、実際に現場で運用してきた立場から、運送業に強い社労士とはどういう存在か、一般的な社労士との違いや選び方のポイントを、実務目線で解説します。
運送業の労務管理を自社だけで抱えるリスク
まず、社労士に依頼するかどうかを考える前に、自社だけで労務管理を抱え続けた場合にどんなリスクがあるのかを整理します。
すでに「そろそろ専門家に相談すべきかもしれない」と感じている方も、ここで一度確認しておいてください。
見落としがちな4つのリスク
運送業の労務管理を自社だけで抱え続けると、次のようなリスクが積み重なっていきます。
【自社だけで労務管理を続けるリスク】

法令違反や残業代のリスクは目に見えやすい問題ですが、見落とされがちなのが4つ目です。
労務管理が整っていない会社は、採用時の労働条件提示が曖昧になったり、代替わりのタイミングで組織が混乱したりしやすく、ただでさえ厳しい人手不足・後継者不足に追い打ちをかけてしまいます。
「今のところ大きな問題は起きていないから大丈夫」と考えているうちに、こうしたリスクは静かに積み重なっていくのが実情です。
一般的な社労士と「運送業に強い」社労士の違い
運送業は、他業種と比べて労務管理や現場のDXが進んでいない業界だと言われています。
改善基準告示や36協定といった法律知識に詳しい社労士は、運送業専門を掲げていれば珍しくありません。
ただし、法律知識に加えて現場運用まで支援できるかどうかは、社労士によって差があります。
社労士を選ぶ際に確認しておきたい観点を整理すると、次のようになります。
| 確認したい観点 | 見るべきポイント |
|---|---|
| 改善基準告示・36協定などの知識 | 運送業特有のルールを具体的に説明できるか |
| 現場でのクラウド化・電子化の推進経験 | 実際に導入を主導した経験があるか |
| 相談後に得られるもの | 「制度の説明」で終わらず「実際の進め方」まで示してもらえるか |
法律知識に加えて、実際に現場でクラウド化を推進した経験まで持つ社労士は、決して多くありません。
知識(法律)と実務(現場での運用経験)の両方を持っているかどうかが、運送業の労務管理を任せる相手を選ぶうえで重要な分かれ目になります。
運送業に強い社労士を選ぶ際のチェックポイント
以上を踏まえると、社労士を選ぶ際に確認しておきたいポイントは次の3つです。
【運送業に強い社労士を選ぶ際のチェックポイント】

法律知識だけでなく、現場運用の経験と料金の透明性まで確認しておくことで、「相談したのに現場では使えなかった」というミスマッチを避けられます。
初回の相談時に、運送業の労務管理でどんな支援をしてきたかを具体的に聞いてみるのも、見極めの一つの方法です。
次の章では、運送業の労務管理を考えるうえで避けて通れない3つのキーワードを整理します。
運送業の労務管理で押さえておきたい重要ルール
運送業の労務管理を考えるうえで、避けて通れない3つのキーワードがあります。
ここでは「2024年問題」「改善基準告示」「36協定」について、まず全体像を押さえておきましょう。
それぞれの詳しい実務対応は、後ほど紹介する関連記事で解説しています。
2024年問題とは
2024年4月からトラックドライバーにも時間外労働の上限規制が適用されるようになったことをきっかけに、運送業界で人手不足や物流停滞への懸念が広がっている問題の総称です。
【2024年問題で押さえておきたいポイント】
- 時間外労働の上限が年960時間に規制された
- あわせて改善基準告示が改正され、拘束時間・休息期間の基準がより厳しくなった
- 対応が遅れると、ドライバーの労働時間確保と会社の運送能力の両立が難しくなる
いずれも、運送会社の経営に直結する変化です。
対応が後手に回ると、法令違反のリスクだけでなく採用・定着にも悪影響が出かねません。
改善基準告示とは
改善基準告示は、正式名称を「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」といい、トラック・バス・タクシーなど自動車運転者の拘束時間・休息期間・運転時間などを定めた厚生労働省の告示です。
一般の労働基準法だけでは対応しきれない、運送業特有の「拘束時間」という概念を規定している点が最大の特徴です。
2024年4月の改正で、年間・月間の拘束時間の上限や、休息期間の取り方がより厳格になりました。
改善基準告示に沿った労務管理ができているかどうかは、運送業の労務管理の土台になる部分です。
36協定とは
36協定(サブロク協定)は、法定労働時間を超えて時間外労働・休日労働をさせる場合に、労使間で締結し労働基準監督署に届け出る必要がある協定です。
【運送業の36協定で押さえておきたいポイント】
- 締結・届出をしていないと、時間外労働をさせること自体が違法になる
- ドライバーの時間外労働の実態に合わせた協定内容にする必要がある
- 2024年問題以降、上限規制との整合性を確認しながら協定を結ぶことが重要になっている
これら3つのルールへの理解は、運送業の労務管理の土台です。
次の章では、こうしたルールを踏まえたうえで、社労士に何が依頼できるのか、費用感とあわせて見ていきます。
運送業の社労士に依頼できること・費用感
ここでは、社労士に依頼した場合に具体的にできることと、費用の考え方を整理します。
「何をどこまで任せられるのか」「費用はどのくらいかかるのか」という疑問に、実際のプラン例を交えて答えます。
依頼できる業務範囲
社労士に依頼できる業務は、社労士だけに認められた「独占業務」と、それに付帯して任せられる業務に分かれます。
まず全体像を図で整理します。

就業規則や36協定の作成・届出、社会保険の申請代行は、社会保険労務士法で「社労士以外が報酬を得て代行してはいけない」と定められている独占業務です。
社労士資格を持たない業者が、報酬を得てこれらの業務を代行することは認められていません。
依頼した会社側が直ちに罰則の対象になるわけではありませんが、手続きの有効性や責任の所在が不明確になるおそれがあります。
そのため、「安いから」という理由だけで資格のない業者に任せるのは注意が必要です。
一方、給与計算やクラウド導入支援は独占業務ではなく、他社でも対応できます。
ただ、独占業務とあわせて同じ事務所に任せることで、法改正や制度変更のたびに情報が分断されず、一貫した対応を受けられるという利点があります。
相談だけを任せたいのか、手続きまで丸ごと任せたいのかによって必要な範囲は変わるので、自社の状況に応じて依頼範囲を決めておくと、見積もりを比較する際にも迷いにくくなります。
料金が不透明になりやすい理由
社労士の料金体系は、事務所によって公開されていなかったり、問い合わせて初めて分かる形になっていたりすることが少なくありません。
料金が不透明になりやすい理由は、主に次の2つです。
【社労士の料金が不透明になりやすい理由】
- 企業ごとに従業員数や依頼内容が異なり、一律の料金を提示しにくい
- ホームページに料金表を出さず、問い合わせ後の見積もりで初めて金額が分かる事務所が多い
結果として「結局いくらかかるのか分からないまま相談する」という不安を利用者に与えてしまっています。
当事務所では、この不透明さをなくすために、従業員数に応じて金額が決まる明快な料金プランを用意しています。
料金プランの一例
料金プランの一例を、従業員20名の運送会社を想定して表で紹介します。
| プラン | 内容 | 20名の場合の月額目安(税込み) |
|---|---|---|
| 労務相談顧問 | 相談無制限(手続き代行・給与計算は含まない) | 11,000円(従量課金なし) |
| 労務手続顧問 | 労務相談+手続代行+労務管理クラウド導入 | 基本33,000円+20名×330円=39,600円 |
| 給与計算顧問 | 労務手続顧問の内容+給与・賞与計算代行 | 基本71,500円+20名×770円=86,900円 |
従量課金は労務管理・給与計算クラウドの利用料に対応するもので、クラウドを利用しない労務相談顧問には発生しません。
労務手続顧問・給与計算顧問はクラウド利用を含むため、基本料金に人数分の従量課金が加算される仕組みです。
クラウド導入の初期費用は一切かかりません。
契約後に想定外の追加料金が発生することもなく、人数が確定すればそのまま金額が決まります。
従業員数ごとの詳細な料金は、当事務所のホームページの料金表ページで確認できます。
進め方と費用のイメージがついたところで、次はルーツが運送業に強い理由を具体的に紹介します。
ルーツが運送業に強い理由
最後に、すどうルーツ社会保険労務士事務所がなぜ運送業の労務管理に強いのか、その理由を3つの観点から紹介します。
事業承継の現場を人事労務の立場で見てきた経験
筆者は、運送会社で先代から3代目社長への事業承継を、管理職の立場で直接経験しました。
後継社長が就任するタイミングで、それまでその方が担っていた管理部門の役割を引き継ぎ、年上の社員やベテラン管理職を率いていく難しさを、当事者に近い立場で見てきています。
「代替わりしたら現場がついてこない」というのは特別なケースではなく、多くの運送業が直面するリアルな課題です。
事業承継期にありがちな壁は、次のようなものです。
【事業承継期の運送会社によくある壁】
- 年上の管理職・ベテランドライバーが新しい方針にすぐ納得しない
- これまでのやり方への自信が強く、変化への抵抗が大きい
- 無理に押し通そうとすると、かえって現場との溝が深まる
労務管理は、単なる法令順守のためだけのものではありません。
就業規則や評価制度を整備し、明文化しておくことで、後継社長の方針を「個人の意向」ではなく「会社のルール」として示せるようになります。
年上の管理職やベテランドライバーも、新社長個人の言うことに従うというより、客観的な制度に基づいて動いているという納得感を持ちやすくなり、感情的な反発が起きにくくなります。
事業承継期にこそ労務管理の土台を整えることが、後継社長を陰から支える力になります。
電子化に抵抗が出やすい現場でクラウド導入をやり切った経験
紙の書類やタイムカードに慣れたドライバーほど、電子化に対して強い抵抗を示します。
特に年齢層が高いドライバーが多い営業所ほど、最初の抵抗は強く出ます。
筆者は、運送会社で電子給与明細やクラウド勤怠の導入を実際に進めてきました。
定着までに実践してきたことは、次の4つです。
【クラウド導入を現場に定着させるために実践したこと】

拠点や制度によって抵抗の強さは違うので、いきなり全部を変えようとせず、ハードルの低いところ・巻き込みやすいところから着手するのが有効です。
そこで得たノウハウを他拠点に広げていくことで、無理なく現場に定着させることができました。
制度の知識だけでなく、こうして現場に実際に定着させた経験まで持っていることが、当事務所の強みです。
採用活動の実務経験もある強み
運送業の悩みは労務管理だけにとどまりません。
人手不足に直結する採用活動についても、実務者としての知見があります。
【採用活動の実務経験からわかること】
- 求人を出しても応募が集まらない現場のリアルな大変さ
- 求職者に響く求人情報の見せ方・書き方
- 採用と定着(労務管理)は切り離せない関係にあるということ
労務管理と採用は別々の課題に見えて、実は密接に関わっています。
採用できても定着しなければ意味がなく、逆に労務管理が整っていないと採用にも悪影響が出ます。
せっかく求人広告費をかけて応募が来ても、労働条件や職場環境の説明が曖昧なままでは、内定辞退や早期離職につながりかねません。
加えて、ハローワークへの求人申込書の作成・求人申込みの提出代行は社労士の独占業務です。
民間の求人サイトだけでなく、公的なハローワーク求人まで一貫して扱えるのは社労士ならではの強みで、求人広告代理店にはできません。
この両方を実務経験に基づいて扱えるからこそ、労務管理の相談を「採用・組織づくり」まで含めた視点で行えます。
まとめ
運送業の社労士選びで大切なのは、法律知識だけでなく、現場での実務経験と料金の透明性です。
自社だけで労務管理を抱え続けるリスクや、独占業務を無資格の業者に任せるリスクは、正しく理解しておく必要があります。
そのうえで、事業承継・DX・採用まで含めて相談できる相手を選ぶことが、遠回りに見えて一番の近道になります。
「とりあえず近くの社労士に」と選んでしまう前に、一度立ち止まって選び方を見直してみてください。
- 自社対応・無資格業者への依頼のリスクを正しく理解する
- 事業承継・DX・採用まで、現場での実務経験がある社労士を選ぶ
- 料金の透明性も選ぶ際の重要な基準にする
「運送業に強い社労士に相談したい」「まずは費用感を知りたい」という場合は、すどうルーツ社会保険労務士事務所にご相談ください。
事業承継・DX・採用まで、現場の実務経験を踏まえてサポートします。
初回相談は無料です。

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この記事を書いた人

須藤直也(すどう なおや)
すどうルーツ社会保険労務士事務所 代表
社会保険労務士(登録番号:第13250461号)
給与計算実務能力検定1級/日商簿記2級。
2017年より運送会社で人事労務を担当し、給与計算・社会保険手続き・採用・労務管理を経験。2021年にはマネジャーに就任。
現在は、運送業をはじめとする現場系(ブルーカラー)産業を中心に、クラウドを活用した人事労務の構築・給与計算・労務管理支援を行っています。
よくある質問
- 運送業に強い社労士と、一般的な社労士の違いは何ですか?
-
最大の違いは、法律知識だけでなく、現場での実務経験があるかどうかです。
改善基準告示など運送業特有のルールに詳しい社労士は珍しくありませんが、実際に現場でクラウド化を推進した経験や、事業承継・採用の実務を経験している社労士は多くありません。
相談内容が「制度の説明」で終わるか、「実際の進め方」まで踏み込めるかは、事前に確認しておくと安心です。
- 社労士に依頼する費用はどのくらいかかりますか?
-
依頼内容と従業員数によって変わります。相談のみのプランであれば月額5,500円(5名まで)からとなっており、手続き代行や給与計算まで含めると金額は上がります。
詳しい料金は無料相談もしくはホームページでご確認いただけます。
- 顧問契約をすると、具体的に何をしてもらえますか?
-
就業規則の作成・見直し、36協定の作成・届出、社会保険手続き、給与計算などを任せられます。加えて、労務管理クラウドの導入支援や、労務トラブル発生時の相談対応も含まれます。
- 後継者問題や採用の相談も社労士にできますか?
-
経営全般の相談そのものは対応範囲外ですが、労務管理の視点から組織づくりや採用時の労働条件整備についてアドバイスすることは可能です。
特に事業承継期や採用強化を検討している会社には、労務管理と合わせて相談することをおすすめします。
後継者と現場との関係づくりも、就業規則や評価制度の整備を通じて間接的に支えることができます。
- 今の社労士から乗り換えることはできますか?
-
可能です。
既存の顧問契約がある場合でも、契約更新のタイミングに合わせて乗り換えを検討する会社は珍しくありません。
解約時期や引き継ぎ資料の準備など、切り替え時に気をつけたい点もありますので、まずは現在の契約内容と自社の課題を整理したうえで、無料相談でご相談ください。
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